個人事業主の給与・・・

個人事業主の方から、「自分への給与は、どのように処理すればいいですか。」と質問された事があります。
「個人事業主の方が、自分に給与を支払うという考え方はないんですよ。」とお伝えすると、不思議そうな表情をしました。
「給与がないなんて、じゃあ、どうやって生活するの?」と困惑されたようです。

私も、初めて個人事業主の場合の会計処理の仕方を知った時、大変驚きました。
例えば、10万生活費として使いたい場合、好きな時に事業資金から引き出して問題ありません。
それじゃあ、事業資金を全部使えば税金はかからない・・・なんて事はありません。

この場合、仕訳は  事業主貸 10万 / 預貯金 10万  となります。
「銀行口座から10万を引出し、事業主に貸した(事業主が使った)」というイメージです。
給与として支払った訳ではないので、経費にはなりません。

個人事業主の場合、総収入金額-必要経費=事業所得の金額となります。
つまり、生活費としていくら引き出そうが、事業所得の計算には全く関係がないのです。
個人事業主は、いつでも好きな時に、事業から得たお金を好きなだけ使ってもいいなんて、最高のような気もしますよね。
ただ、計画的にお金を使わないと、資金繰りに困ったり、納税資金が不足する恐れがありますので、注意が必要です。
事業計画や資金繰り表を作成し、貯蓄すべきお金と、自由に使えるお金をきちんと把握しておきましょうね。